古民家に学ぶ家づくり


 

古民家に学ぶ新しい住まいづくり

200年をゆうに越える歴史を持つ古民家は、世界中に残っています。木材という建材に、200年以上の耐久性があることはわかっていることです。こうした古民家の建築実績から学んだ200年住宅のためのポイントは次の5つです。

■大断面であること。
5寸角柱(15cm)・尺梁(15cm×30cm)の構造材を使用。
■国産材であること。
地球環境の観点と同時に耐久性においても優位になります。
■乾燥材であること。
乾燥によって強度が増し、腐りにくくなります。 (10%乾燥経験)
■現しであること。
「五感」(視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚)で感じることができます。
■間面のつくりであること。
規則正しく並べられた柱と大梁で将来の可変性を確保する。

数々の古建築に通じること、学ぶべき知恵とは。
ひとつは、木材は現しにして、老けないようにすること。木は建材になっても呼吸をしている。ひとつは、柱の梁のシンプルな間面の構成にして、100年毎の民家再生ができること。加えて新しい木質技術による集成材や乾燥の技術が、大断面材の供給を可能にしました。古民家に活かされてきた木構造が、次世代の200年住宅を担います。

 

大断面木構造

大断面木構造「HABITA」の200年住宅では、5寸角(150mm)の柱や1尺(300mm)の梁(はり)を住宅の骨組みとなる構造体に使用しています。一般的な構造材の住宅に比べて、約2倍の木材量を使うことになります。構造強度について解かれば解かるほど、より少ない材料で基準にあった強度計算値を出し、差額を利益にしてゆく活動につながりかねません。大断面の構造体を扱うのは強度に対する不安ではなく、耐久性への対処です。古民家もそのように造られてきました。そして、大きな材に対する愛着の心が芽ばえるからこそ、世の中に残してゆくべき家となっていくのです。

 

国産材の使用

幸いにもわが国の先人たちは、多くの木材資源を残してくれました。戦後に植えられた樹齢60年の国産材として育っているのです。一本一本の年輪が積もり、毎年9,000万㎥(立法メートル)の木材が増加しているなかで、国産材供給量は2,000万㎥に過ぎません。しかもその多くは人工林です。木は地球温暖化の原因とされているCO2(二酸化炭素)を固定化させる貴重な環境資源です。しかも伐採され加工された後もCO2を保持し続けます。つまり長期耐用の木造住宅はCO2を貯蔵する第2の森でもあるのです。HABITAの提案する大断面木構造の住まいづくりは環境保全のためにも、日本で育ったこの価値ある樹木の価値を活用してゆきます。

 

集成材の活用

集成材とは、ラミナー(厚さ2〜3cm程に製材し、節や割れなどを取り除いた板)を繊維方向に平行して重ね、貼り合わせてひとつにした建材のことです。一度ラミナーに加工するため、乾燥の行程も確実になりさらに積層することでムクの木材よりも寸法の変化が少ないというメリットがあります。また、表には見えない欠点を取り除きながら工業製品として製造するので一定の強度を確保できます。現在までに残された古民家のような木構造を実現するには、木質資源も長期の乾燥時間も足りません。古くて正しいことを実現するための新しい技術があってこそ、現代の200年住宅が可能になります

 

木構造「現し」

200年、500年、1000年以上と歳月を重ねている木造建築は、「現し」(あらわし)の収まりになっています。それは日本の住宅だけではなく、世界各地に残る古民家にも見られるに共通の収まりです。木は生きて成長しているときだけでなく、切られて建材になってからも呼吸をしています。住宅の中でさまざまな部位に使われている木材を、窒息の状態にすることは避けておかなければならないのです。どうしてビニールクロスや壁紙などを貼って、その価値を認めるべき構造体を隠す必要があるのでしょうか。むしろ現しにすることによって、木構造の材質に対する信頼感は大きくなり、場合のよっては余分なコストも下がるのです。

 

ポスト(柱)&ビーム(梁)

キッチンやトイレ・洗面をはじめ電化製品などなかった時代の古民家が、現代の生活に合うように再生できるのには、構造体の構成上の理由もあります。古い日本の住宅は間面記法で表される家の形状が標準的でした。「間面」(けんめん)の家とは柱と梁を、格子状の規則的に配置した簡素な構造体の組み方であり、現代の言葉で言えばポスト&ビーム工法です。LDKで表されるような、部屋を組み合わせて設計した住宅では、100年を越えた家族や生活・技術・様式の変化には対応しきれない可能性が あるのです。HABITAの構造設計は、この「間面」のつくりを基本にして進めてゆきます。

 

金物工法

木材の接合仕口は 木構造のまさに要です。伝統工法の中では、今でも大切に守り継がれています。しかし大断面の木材があればこそ生かされる技術であり、複雑な形状の加工を小断面の木材の中で施しては、大きな断面欠損を伴う加工になりかねません。また、加工が確実にできる職人も減っているのが現実です。HABITAでは、柱や梁の接合部に欠損部分が少ない金物による工法を採用しています。集成材の計算された強度とあいまって確かな家づくりが可能になります。また、接合金属も工場であらかじめセットしておくことで現場での組立作業も短縮され、組立施工による品質のばらつきも解消されます。

 

ミサワ・インターナショナル株式会社 HABITAの構造体について 構造体についてQ&A