間面(けんめん)のつくり

 

 

 

健康な体は骨格から生まれる。

健康は失われてはじめて価値が分かると言います。しかも痛みや症状が出ているところが悪いとは限りません。循環器系の病気の多くは食物と代謝が原因で、その他の病気の多くは姿勢に原因があります。また、どのような病気になっても、不思議と姿勢が崩れるものです。逆にしっかりとした骨格を持ち、正しい姿勢が保たれていると健康で、美しさも感じます。これと同じことが住宅にも言えます。住宅にもしっかりとした骨格があり、その姿勢が良ければ、地震にも耐えられる健康体となり美しくなります。外装や内装でどんなに着飾っても、正しい骨格を持ち姿勢を正さなければ、住宅も本当の美しさで長生きはできないのです。 

 

構造計算ですべて分かるわけではない。

昔の家と現代の家の違いは、見た目だけではなくて骨格にもあります。その原因として考えられるのが、皮肉なことに構造計算の進化にあるのかもしれません。複雑な要素で決まる強度を、分析できた範囲とは言え、数値化して判断できる部分的な評価で決めているのです。人に例えれば、骨の数と組み合わせと、成分だけで健康を測っているようなもの。それぞれの骨の形と配置には本来合理性があり、それをつなぐ軟骨にも役割があります。しかし残念なら、骨の配置の合理性は測られず、軟骨の役割は分かっていません。実は骨の太さも計算には入っていないのが今の構造計算です。

 

間面記法のつくりが基本となる。

構造計算が無く、経験則で造られた昔の家は単純でした。柱や梁は少しでも太い方が良いと考えます。また、柱は規則的に等間隔で立て、大梁で繋ぎます。屋根はシンプルにして、背骨とも言える棟梁やその下の梁を背骨のように通して造ります。こうした単純で基本的な造り方をしているので、昔の家は柱間を数えれば、おおよその家の形状が分かりました。こうした数え方を間面記法と言い、現代で言えば3LDKなどの表記と同じように使われていました。築後100年以上も経った古民家が、現代の住宅として生まれ変わることができるのも、間面のつくりがあり柱や梁を活かしながら、間取りを組み直すことができるからこそ可能であると言えます。

 

古民家の魅力。

古民家の魅力のひとつは、立派な柱や梁を「現し」にしてインテリアに活用できることです。似たような寸法で、規則正しく並んでいるからこそ、美しさがあります。まさに骨格からの美しさであり、姿勢の正しさでもあります。また、この美しさがあるからこそ、長く残してゆきたい家と思われます。間取りを決めて、あとから構造計算を沿わせた表面上のデザイン住宅とは違う、骨組みから姿勢の正しさまで追求した真の美しさなのです。

 

間面記法とは、、、

昔の建築物の規模を表す方法で、母屋の大きさを柱間の数「間」で表し、庇のある方向の数を「面」で表しました。古民家のほとんどが、柱は碁盤の目状に規則正しく並んでいます。多くは奥行きに柱が3本あり、柱間は2つになります。つまり二間です。間口は規模によって変わり、大きな家では柱間が五間、六間の家もあります。三十三間堂はまさに母屋に34本の柱が並んでいます。庇を伸ばす方向は、東西南北の4方向にあります。南北に伸ばせば、二面の建物であり、最大で四面の家となります。つまり三間四面の家と言えば、奥行きに柱間が二間、間口に三間、東西南北に庇や縁側のついた家となります。