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2014年5月7日

コラム「木 火 土 金 水」

 

住まいは”巣”まい

「木 火 土 金 水」

日本人の愉しみは奥が深い。だから長続きします。なかでも茶道は、極めようとしても行き着くところがないほど、幅が広く奥が深い。露地入りから作庭にはじまって茶室のしつらい、さらには茶の作法、会話まで、それは日本の精神文化の集大成であり、総合芸術です。

「木 火 土 金 水」というのは、茶室のことです。
茶室には木材があり、炉の火があり、壁の土があり、炉の金属があり、そして茶をたてる水があります。

4畳半の小空間は日本建築の粋。縦70センチ前後、横65センチ前後の小さな出入口「にじり口」は、茶の湯を楽しむ異空間へ誘う絶妙の設計です。茶道具や床に飾る掛け物、花など、一つひとつに意味があり、思いがあります。亭主のお客をもてなす心意気が隅々にこめられた空間としつらいです。

茶の湯は「客をもてなす」遊び。公家、武家、そして庶民へと広まりました。客を待ち、客を迎える亭主の心いれと喜びを表現するしつらい、工夫が日本人の心にふれます。遊びが文化、芸術になるのです。これほど贅沢な遊びはありません。

現代、茶道は女性が多くたしなんでいますが、もともとは男性の芸事であり、仕事でした。高級な材料が茶室にもお茶の道具にも使われるようになりました。庶民が楽しむ道を開いたのが千利休です。千利休は道に転がっている茶碗、野に咲く名もなき花一輪までもお茶の作法にかなうことを示しました。これが庶民に広まってゆきました。

千家は400年の歴史があり、日本人の心に根付いています。世界に冠たる総合芸術です。

(MISAWA・international 株式会社:社長 三澤 千代治)

 

[Weekly HABITA抜粋]

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